真土による込め型

 込型法は、鋳物土(真土(マネ))をもちいて原型から分割して写し取った外型(雌型)に、流れ込む金属の厚みだけ小さな中子(中型)を作り、外型に中子を納めて鋳型を組み立て、700~800℃で焼成してその外型と中子との厚さ数ミリの空間部分に熔湯を流し込む方法です。

■  こぶ牛形土器
前1500~前800年
磨研土器

■  押し台を作る
原形・塑造原型を石膏に置き換え、原形とします。

■  鋳型制作
土間に半ば埋め、上型と下型の見切り面をつくり、外型の半面(上型)を作る準備をします。

■  外型をつくる
原型表面にきめ細やかな粒度の鋳型土(肌土)を付け、荒い土でバックアップし、鉄筋で補強し、外型(上型)を作ります。反転して同様に下型を作ります。

■  外型をつくる
上下型を分割し、原型を取り出して乾燥し、外型の完成です。

■  中子
外型の内側にそれぞれ中子砂を詰め込み、上下型を合わせて中子(中型)を作ります。

■  鋳型完成
中子を外型に納め、上型をかぶせて鋳型の完成となります。中子は外型の中に中空に保持され、その空隙に金属が流れることとなります。

■  築窯・鋳型焼成
鋳型を据え、周りに窯を築いて鋳型の焼成をします。
真土型の焼成には鋳金講座では現在でも主として松薪を燃料としています。5~10時間で鋳型の中心まで約800℃になり、焼成完了となります。

■  鋳込み(吹き)
ブロンズ(銅85%、錫5%、亜鉛5%、鉛5%)の合金を熔解し、鋳型に鋳込みます。

■  仕上げ
冷却を待って、鋳型を割り、鋳物を取り出します。
この後仕上げ、着色の作業工程に進みます。