真土による蝋型

この工程は中型を鋳型土を用い挽いて成型し、その上に蝋を重ねて挽く「縄繰中子蝋焼流し法」を解説します。

■  挽き型板(原型の外形、中型の外形用の2枚のブレイドを重ねている)と、心棒に荒縄を巻いた中型(中子)の芯。この上に鋳物土を重ね付け、中子を挽き上げる。

■  完成した中型(中子)
(湯道や堰となる部分を削り込んでいる)

■  中型の挽き型板をはずして、中型と原型の外形の挽き型板との隙間(金属の肉厚となる)に、溶かした蝋を刷毛で塗り重ね、蝋原型を挽き上げる。

■  完成した蝋原型
下部の帯状の部分は湯道(金属の流入路)となる。

■  外型の制作
完成した中子型を含む蝋原型に肌土(泥状の鋳物土の微粉末)を塗る。 

■  肌層を補強する様、紙土(微細な鋳物土に和紙の繊維を練り込んだ土)を張り重ねる。

■  この後中土、荒土と、順次粒子を荒くした鋳型土を重ねて、針金を巻いて補強し鋳型の完成となる。写真は鋳型の水分を吸収させるため、古瓦片(素灰)を張り付けた様子 

■  完成した鋳型。上部の窪みは、湯口(金属の流入口)。
鋳型は湯口を下向きに置いて焼成炉で徐々に加熱され、蝋は湯口より溶け出る。鋳型はその後800℃程度まで昇温され、鋳型の水分、有機分は完全に取り除かれ、素焼状態となり、蝋が抜け出た空間に、金属が鋳込まれる

■  鋳込後、鋳型を割り、蝋型鋳造の完成となる