真土による惣型法は主として回転形体の器物や茶の湯釜、梵鐘、寺社仏閣等に見られる鰐口等の制作に用いられる伝統技法の一つで、形体の輪郭と中心軸を写した「挽き型板」を作り「実型(さねがた)」と呼ばれる鋳型枠の中心に軸受けで支持し、回転させながら挽き型板と実型の空間に粗い土から順次細かな土へ鋳物土をつけ重ね、挽き上げて鋳型を作ります。
鋳型は乾燥したあと鋳肌になる表面(内面)を炭で焼成し、金属を鋳込みます。外型、中子型ともに挽き板で成形する場合と、茶の湯釜の制作に見られるように外型に中子砂を詰めて中子型を成形する方法があります。
■ 原図と挽き型板
■ 実型(さねがた)枠と挽き型板、軸受(馬)のセット
■ 内側鋳型の挽き上げ
■ 挽き上げの終わった外型と内型
■ 惣型実習風景
■ 梵鐘の挽き型板。外型(右)と中子型(左)
■ 梵鐘外型の挽き上げ工程
■ 甑(こしき)炉による鋳込み
※梵鐘の工程は西沢梵鐘制作所によるもの
※(C)黒田成一(講談社)